美術館巡り「ギュスターヴ・モロー 展」「ラファエル前派展」
2019年06月2日|astrology, Impression, museum, やまねこクロニクル|ギュスターブ・モロー, 汐留パナソニックミュージアム, 美術館巡り
★次のウラナイトナカイは6月10日月曜日です!
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※当日に気が向いてふらりとお越しいただくの大歓迎です。
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4月に北京に1週間行ってたしわ寄せと、5月のイベント2本(占いとアクセサリー及びAOAJのイベント、さらに友だちが来日)の重さで5月いっぱいは突っ走りっぱなしという大変なスケジュールでした。ヘタレなのであまりスケジュール詰め込みすぎると萎えます。
そのすべてのご褒美として美術館巡りを予定していて・・・
すっごく楽しみにしていた『ギュスターブ・モロー展』を見に行けてかなりご満悦。。。汐留パナソニックミュージアムに初めて行ってきました。モローだけの展示をするって日本広し(?)といえどここくらいなんじゃないかと思うくらいここばっかりみたいですね、過去ログ見てみると。
この日美しいモローの世界を見ながら思ったのは毎度ながら「絵の中の作者が作った気迫、色味が織りなすイメージからうける印象」というのはすごいなあということ。特にモローの油絵はそれが顕著だなあと衝撃を受けました。色の使い方がスバラシイ(水星が牡牛です、モロー。)モローのパレットも展示されていたのだけど、そのパレットがモローの絵そのままの感じでした、それ自体がモローの作品のよう・・・。
一番最初の絵の展示「パルクと死の天使」(この絵の→ここに説明と写真があります)から頭にガツンと衝撃来ました。黒い死の騎士みたいな風貌の死の天使の佇まい、絵からは絶望感というか、この世との断絶を感じたし、その後に解説を見ると最愛の母を亡くした後唯一の心の支えだった恋人を失った後に描かれたというのを読んで、ああと深く納得しました。
日曜美術館「ギュスターヴ・モロー ファム・ファタル(魔性の女)に魅せられて」や、ギュスターブ・モローのぶらぶら美術博物館なども見逃し、少々がっかりしていましたが、見てなくてもなかなか楽しめました。
今回一番の驚きは、ルオーとマティスがモローの弟子ということ。展示にその記述があり、知らなかったので驚きました。とても共通項があるとは思えず(ただの無知、笑)ちょっとショック。私個人的にはマティスとルオーってあまり好きではなかったのですが、このブログの説明を読んでいるとルオーは見直したくなりました。マティスは・・・・さんざん見ましたが色使いが好きではないです。ルオーはあまりちゃんと見てなかったかもと反省しました。もしくは、経年による好みが変わってきた今なら好きになれるのかも、わからないけど目からうろこが落ちたのは確かです。
ここ汐留パナソニックミュージアムはルオーを結構収蔵しているのでその関係でかギュスターヴ・モロー関係の展示を過去に何回もしています。また見に行きたいところ。
そういえば、昔見に行ったシャセリオ―はモローとアトリエが隣同士でお友だちだったなー。
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この展示を見ながら、わたし『アート全般好き』じゃないなーと気が付きました。趣味はどちらかというと「石」かな、美術鑑賞より。何に惹かれてるんだろう….
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美術館や美術展にはそれこそ小・中学校の頃からずっと通っていますが(両親がそういうタイプだったので)、なんとなく頻繁に見に行きます。で散々いろいろ見てみて、興味がひかれるものは偏ってるなーと気が付きました。有名どころアートなら何でもいいわけではなくて、人間の妄想する「この世のいないモノ」が好きなんだなと。神秘主義的な、あとは神話とか宗教画とかそういうものが好きです。まあ最近は特に占星術に携わっている偏った脳を持っているからかもしれません。
この世にないものを絵として表現して書く。だから、印象派とか庶民の絵とかになると急に興味が失われます。でも美術館とかに行けば一通り全部見るので、題材には興味がないのに時々びっくりするほどひきつけられる絵もあります、それが芸術の持つ力や魅力のすごいところ。展覧会のようなテーマ性のあるものを狙って見に行くときはこの「この世にないもの」もしくは「もう現代ではみられないモノ」の2点に興味を抱くことに気が付きました、今さら、笑。
何より不思議なのは長らく教会にあったりすると、人々の祈りの対象になっているものは何かよくわからない雰囲気がただよっているということ。絵でその人の宗教に対する真剣さや敬虔さを描き出すってすごいよなと思います。文字が読めなくても、絵の語る何かを理解するというのが好きなのです。外国人で異教徒の私でも理解するその力強さってすごいなと思いますね。そういう「まとっている」もしくは「発している」絵や装飾品、建物などが好きなんだなと思いました。
5ハウス的なクリエイディビティは金星の芸術品ではなく、人の技という意味の「アート」というクリエイティビティなんだろうなと。作るや表現したいという勢いや欲望を、それが人の気持ちを惹くかはまた別ですよね。才能は牡牛、才能を認めるって美しい+人の技で後世に残る美というのは蠍。獅子に対してスクエア。他人に自分の技術を認めてもらうは水瓶、獅子とオポですね。なので、5ハウス的しし座要素だけでは足りないと感じてしまう蠍金。けど、人が自分を表現したいと思うことは重要であるということも感じています。存在を無視されないように、「わたし」を演出する必要のある時代ではあるかなと思いますね。
好きと引き寄せるのは金星、嫌いとはねのけるのが火星という感じがしていて。あまり嫌いとはねのけるほど嫌いなものはめったにないのですが、これが好きという興味の向けどころは顕著に出ますね、わたし・・・でも人の表現を邪魔したりしません。それはわたしの「みずがめ木星」が許さなそうです。
こういうものを作る人という自分の価値を外の知らしめるというのは大事なことだなと一方で思います。わたしの金星は蠍なのでそういうものが好みではないというそれだけなんだろうなと。他人の意見に興味を持つ天秤のサインが人の心の奥の妄想に興味を持つ蠍サインなのかなとぼんやり考えました。
ちょっと受けたのは、一緒に見に行った友達の金星も蠍金星でほぼ私と同じところにあるのですが、そこにモローの火星があったこと。さらにモローは牡羊ステリウムその支配星の火星が蠍というのが興味深かったです。わたしは天秤ステリウム。ちなみにモロー水星は牡牛でした。キロンが同じ位置で、モローの牡羊冥王星とわたしの天秤冥王星がほぼぴったりオポ。こういうのが惹かれる原因になるのかもなあ。ぎゅいーんと引き込まれる世界観でした。
先週末に受けたRodの講座の中で「後世にまでのこる優れたアーティストというのは発想だけでは足りず、土星へのアスペクトが必要、発想を現実に形として落とし込み表現する必要があるから」というようなことをおっしゃっていて、なるほどなーと思いました。ちなみにモローは太陽牡羊16度に対し、土星双子17度でかなりタイトにセクスタイル。おおおお、あるある、土星のアスペクトある。彼は晩年美術学校の先生となったりしています。
ファムファタル的な女性を描き続けたモローの金星は牡羊でキズと癒しの「カイロン」(かなりタイトに合)、ブラックムーンな悪女の代名詞「リリス」(ちょっとゆるめに合)が隣り合っていました。なかなか興味深い配置だなと思いました。モローは頻繁に男性を破滅やややこしい状況に追いやるような女性を描いています。一番代表的なのが「サロメ」。
王様に踊りの褒美として洗礼者ヨハネの首を所望したあの方ですね。このサロメの構想を練るためにいくつも習作を書いていました。何かぴったりするものを表現できるまで書き続けるガッツがあるのが蠍火星っぽいですね。あとテーマが死であることが多いのもぴったりくる気がします。
この日はモロー展のほかに、ラスキン生誕200周年記念ということで「ラファエル前派展」にも行きました。ラファエル前派はぶらぶら美術博物館という番組で予習済みで、全然知らなかったラスキンなる御仁を少しだけ理解してから臨めたのでよかったです。この展示はいろんな作品がいて楽しい。ラスキンは評論家ですが評論するからには本人がある程度描けないとと言っていて本人も相当うまかったです、素描とか。後半には、デッサンの教科書なども精力的に書き水彩画のグラデーションなどは彼の提案だとかそういうのもいちいち面白かったです。こういうの読んでいると、オトナって楽しいなと思います。
ラスキンの自然の美しさに敬意を払う姿勢は素晴らしいと本気で思います。ラスキン確かみずがめ太陽。
支配星土星は魚天王星は射手、この土星冥王星とキロンに並んでいるのに目を引かれました。天王星は海王星と合。一番ふいたのは木星が私と同じところ。いちいち彼の価値観に同意するわけだ、笑。エコロジーという思想がラスキン発信というのに感動しました。くしくもこのころ産業革命真っただ中・・・。空気悪い絶頂、ロンドン。その時エコロジーの提案をし、アーツ&クラフツ運動に繋がり、ウィリアム・モリスやバーン=ジョーンズに影響を与えていくわけですね。
その他、ロセッティとか、オフィーリアを描いたミレイとか(オフィーリアはなかったけど)。エドワード・バーンジョーンズ、ウィリアムモリス、
(土地になんらかの人工的な手を入れる前に)自然の美しさに敬意を払うスタンスで文明を考えるというのがラスキンの考えるエコロジーだと思うのですが、ターナーとかから始まった自然そのままの美しさを知ろう的な流れが好きなんだなと(モローの前に三菱第一美術館にも行っています)。
ロセッティの絵で好きだったこれ。
グィネヴィアとランスロットの絵。このあたりの絵は撮影可能でした。すごい。
エドワード・バーン=ジョーンズ
恋人を裏切られた女性がアーモンドの木になってしまうと男が後悔して懺悔しに来ると赦し包み込むという絵なんだけど、許してそうに見えないー
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展覧会の会場で見つけたチラシを見て立ち寄ったこれもすごくよかったです。フィンランドの陶芸アーティスト、ルート・ブリュック展
美術館というより、展示とか個展とかいう感じの気安さでしたが陶器でここまで繊細に表せるんだと思いました。とくにこれ
この美しさには目を見張りました。よくよく見てると故人をどれだけ忍んでいるかわかるような作品。こんな素敵なお葬式いいなあと思いました。
跡はノアの箱舟とかの宗教モチーフもあったり。東京駅の上のステーションギャラリーなので便利。ここはかなりおすすめ。北欧好きなら特に。
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占星術を通して物を見ていると、「自分の偏り」というものを感じます。もちろん、相手の偏りにも気が付きます。そこは正誤の世界ではなくて好き嫌いという好みの世界です。その好みを通してわたしたちは自分たちで自立し自分の世界を守る、そして自律することで相手と自分の間の境界線を意識し、相手がどんな態度であれそれは相手の問題、この感情はわたしの問題などと住み分けることができるなーと感じます。