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あおいとりプロジェクト

受肉する美と、ケルズの書

2016年10月23日|Impression, やまねこクロニクル

★次回のみかみまきウラナイトナカイ10月24日(月)です。
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最近、にわかにケルトの文化に興味を持ちだしたので
先日、鶴岡真弓先生の講座に行ってきました。
教科書はこれ。

課題は、ケルズの書の装飾美術について。

まず、
面白かったのがイギリスの人がアーサー王を
イギリスの人として結構慕ってるということ。
しかしアングロサクソンは、ケルトの王であるアーサー王からすると敵だったのに。
それくらいイギリスでケルト文化が浸透しているらしいということ。
2800年前くらいにはすでにイギリスのあのあたりにケルトの人は来ていたそうです。

その後、聖パトリック(AD432)がキリスト教を伝道し
多神教のケルトが、キリスト教になり(一神教に)
ケルズという名の場所にある修道院にて
聖書を写本したものが「ケルズの書」
(アイオナで始めて、ケルズで完成)
宗教的にはキリスト教だけど、美術的傾向は
ケルト文化なので、ケルト文化独特の美しい装飾が施された写本。

ケルト系文化で大事なのは自然崇拝のアミニズムで
そういう動物の中に美しさや尊さなどがあり、
神話的表現でいろいろな文様をキリスト教の意味合いの中に
表現していくのがすごいですね。思った以上に細かく複雑でした。

助手の方がちょうど、
ケルズの書があるダブリンのトリニティーカレッジに
行ってきたばかりということでお土産にはがきをもらいました。
やったー、とてもうれしい。(にわか参加者なのに)
IMG_1408

この講座の中で一番面白かったのが
プラトンのイデア論と、美術との関係性。
プラトンのイデア論というのは美の完璧な原型が天にあり、
神の世界は美のオリジナル(原型)で構成されているその原型でできている。

それをキャッチし、神の美を表現するものが芸術。
芸術とは完璧なものをできる限り正確に地上におろすこと。
化肉すると表現していました。英語ではインカーネーション。
インカーネーションはincarnetion 化身。
ということを鶴岡先生。

in carne tion
のcarneはラテン語で肉という意味だそうです。
イタリアで肉サンドはカルネというそうで、
あ、確かに私も聞いたことある。

インは中にだから、肉の中に現れる。
肉=現実(土エレメント的マテリアリスティック)
美を地上で表現するというのは神のみ言葉を写本の上に
現実のものとしてなるべく理想に近く表現するというもの。
ああ、こういうのが芸術だよなあ。神の美を模写する。
神が作り上げる美しい世界を模写する、芸術とする。
そういうのがケルトの美術なんだなとしっくりきました。
写本というのは、そういう目的で書かれているんだなと。
魂こもっているんだというのがよくわかりました。
ケルズはそのあとバイキングに襲われ、アイオナの修道院から
ケルズの書をもって命からがら逃げ、ケルズの修道院にて完成させた。

ケルトは文字というものをほとんど持たなかったといわれていて、
文章やいろいろなものはキリスト教に改宗する過程で失われ、
現代では儀式やもろもろが残っていません。
残っているのは、考古学的遺産だけ。なので美術品が多いです。
そして

ケルト人はわざと文字を持たなかったのではないか?
と、鶴岡真弓先生はおっしゃっていて、

それを聞いていて、私もふっと思う。

言葉は風だけど、
文字は土だな。
言葉は広いのか?
文様は文字ではないのか?
渦巻きとか?

あと写本の中にはアルファベットで書いているのですが
ローマの厳格体ではなくて、ケルト独自のハーフアンシャル体というのを
編み出していて、日本の仮名文字(ひらがな)みたいですよねと。
そしてその文字も動物を組み合わせた文字にしていて、
そういうのはNomadic art of てぇEastern Eurasian Stepps
という風に表現していて、主に遊牧民文化、スキタイ文化だそうです。

この「スキタイ文化がケルトの細工を洗練させたというくだりは
なかなか面白かったです。。
占星術や占いはとても新参者の私ですが(そうはいってもプロ9年目)、
文化芸術系はなんだかんだで、まああちこち勉強してるので(幼少期から、笑)
それがだんだん繋がってるなあと。
スキタイとか大好物だよ!と思った。
そして、この前までゾロアスターを習っていて飛んだと思いきや意外と繋がりました。
装飾品文化はこの遊牧民、不動産を持たない民族の動産の持ち方が
ジュエリー文化を発展させたので、金細工とか本当に素晴らしい
(⇒アフガニスタン展すごかった!)

先日、真っ暗な中文句言いながらたどり着いた目白の自由学園明日館(講座を受けたくて)、
フランク・ロイド・ライトの建築なのですが、
なんと彼はケルト系の建築家で家系的にはドルイドをやっていた
ロイド家を血筋に持つらしいと(と本人が信じていた。)授業でやっていて、
シンクロニシティと言ってもまあおかしくないなと思いました。
もう一つ言えばギリシャ神話のクラスなのに、小泉八雲が出てきました。
そして、ケルトのクラスで小泉八雲。

(小泉八雲はお父さんがアイルランド人、お母さんがギリシャ人です。
1850年 レフカダ島にて誕生。1852年 ダブリンに移住しています。
ラフカディオ・ハーンのラフカディオはレフカダからきているとか。
そして、ウィリアムブレイクの詩にとても影響されています。)

ケルト自体も、
予約したロンドンのホテルがウィリアムモリスのカフェたまたま近くて(A&Vね)、
行きたいなあとウィリアムモリスが思考のトップリストに入り、
その後、
オックスフォードの大学が
学校ウィリアムモリスの出身で
(あとトールキンも!彼の物語がまさしくケルト的)、

知り合いが
ウィリアムモリスの事務所をアランレオが使っていたところを
見せてくださり(in London)、

たくさんの博物館めぐりで目についたケルトへの興味で
ケルトの文化を調べ始めたのが始まり。

シンクロニシティという言葉を作ったのはユングですが、

ユングはこのシンクロニシティを
「体験者あるいは目撃者にとって重要な意味を持つ偶然の出来事で、
それによって一種の覚醒あるいは悟りに近い感覚が得られるもの」
と定義してるとか(このサイト参照してます)

今回のケルトは、
2013年のターナー展から始まってるかもしれません。
その展覧会でターナーだけではなく、小泉八雲のことと
ウィリアムブレイクが紹介されていました。

あと、注目すべきは
1896年 – 東京帝国大学文科大学の英文学講師に就職。日本に帰化し「小泉八雲」と名乗る
1903年 – 東京帝国大学退職(後任は夏目漱石)
夏目漱石もアーサー王について文章を書いているということ。
だいぶ影響されているのですね。

三つ巴という文様はもとはスキタイ文化らしいですが、
ケルトの文化にもあって、文化って人の流れだなあと思いました。

最期のほうに鶴岡先生が引用していた言葉が指輪物語のセリフだったような気がしたのですが
「ずっとつづいている生命の営みは川の流れと同じだ。我々はその中の一滴にすぎない』
(最先端はなく、積み重なって流れていくだけだ過去を後ろに、未来へ流れていくみたいな意味でした)
それが本当そうだなと思うのです。

意志を持ちすぎる、
欲を持ちすぎる
そういうのをバランスよく
って、天秤脳は思ってしまいます。


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みかみ まき

西洋占星術師&アクセサリーデザイナー、水晶占い師占星術・タロットをまついなつき氏に師事、占星術と水晶透視を松村潔氏に師事しております。詳しいプロフィール

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