中野京子さんの【怖い絵】展@上野の森美術館
2017年10月17日|Impression, museum, やまねこクロニクル|上野の森美術館, 美術館巡り
★毎週月曜日は阿佐ヶ谷のウラナイトナカイにおります。
次回は10月23日(月)
10時~13時 水晶リーディング練習会
14時~21時 通常鑑定
☆『水晶からあなたへのメッセージ郵送します。』
モニターを終了し、本格的に始動しております。対面鑑定に来られない方などもどうぞ。
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美術展をよく一緒に見にいくお友だちに誘われたので、内容をよく知らないまま上野の森美術館に「怖い絵」展を見に行ってきました。まず雨の日の平日の昼頃行ってきたのでガラガラだろうと思っていました。JRの上野駅の公園口に着いたら、上野ので開催される美術展全般のチケットを扱うブースに今まで見たことない行列が!!びっくりして、待ち合わせの20分前に着いたので並んでみました。ギリギリチケットを買って、展示の会場に行ったらあまり行列はいませんでした・・・あら。
入場制限はあまりなく、中に入ったらすごい混んでいました!!やはり人気なのか?!と、でも少し何で?!と思ったら、中野京子さんという人が原因みたいですねー
このベストセラーがきっかけでNHKの教育テレビで番組ができて大ブレイクらしいです(テレビ番組自体は見ていないのでわかりませんが、この動画その番組のPVで雰囲気がわかりやすいかも⇒★)
NHKのテキストはこっち
なんとなくこのパンフレット軽薄そうで印象悪かったのですが、はっきりいって期待してなかったからかものすごく面白く、図録まで買ってしまいました。全般的にわたしの好みの幻想的な絵やロマン主義のものが多く好みだったのもありますね。ルネサンス期もはやりましたね。
こういうのをどういう歴史背景で、どういう文化背景でどういう宗教概念でということを学ぶのは結構好きなので当たり前に思っていたのですが、中野京子さんという人は、そういうのをわざわざ本にして、どうして怖い絵なのか?という説明を付け加えて売り出したのですね。なかなか粋なコンセプトです。展示もパネルの文字はとても楽しめました。ただ展示のパネルが安っぽくてちと邪魔だなーと思いましたが。なぜ、赤やショッキングピンクを使い安っぽいコメントをでかでかと書くのか?理解ができない・・・というストレスはありました。でも中野京子さんのコンセプトを引き出そうとしていたのだなとやや納得。
一番の見どころは日本で初公開の『レディ・ジェーン・グレイの処刑』(現在ナショナルギャラリーが所蔵)
ジェーン・グレイ(英: Jane Grey、1537年10月12日)は、16世紀中頃のイングランドの女王で異名に九日間の女王(Nine-Day Queen)。ヘンリー8世の妹のメアリーの息子の娘で、ヘンリー8世の娘であるすぐにメアリ―1世にとって代わられてしまったため、即斬首刑になった悲劇の人。そのメアリーは「プロテスタントに対する過酷な迫害から、ブラッディ・メアリー(血まみれのメアリー)と呼ばれた」人です。この時代は、イギリス国教会、プロテスタント、カソリック(3つともキリスト教だけど微妙に違うので争う)の混乱期でもあり、政権争いも激しくどろどろとした時代。
つまり、こういう「背景」を知った上で絵を見るとちょっと親近感が出て感情移入しやすく、彼女の恐怖を感じやすいよねーってことですよね、中野京子さんの言いたいことは。なんかそれは私もそう思うので同意します。でも一枚一枚、調べるのは骨が折れるのでなかなか難しいですね。わたしは美術史好きー。
関係ないですが私はこの絵は知りませんでした。ナショナルギャラリーは何度も行っているのにこんなすごい絵に気が付かないとはあれですね。でもこの絵一度失われて1973年に再発見されていて(図録を参照)、わたしが生まれた年なのでますます親近感。こうなると感情をもって記憶を持つことができますねー。
あまり知らずに、中途半端な見方をして(解説の音声ガイドも使わなかったので)展示のコンセプトが気になったので図録を買って正解でした。この展示は図録を買い読んでからまた見に行ってもいいかも。なかなか楽しいです。何より普通の図録より読みやすいですね。余白多すぎだけど、笑。図録というより、本という感じですね。得のすぐ横に解説があるのもいいです。
その他に、ターナー(1枚)ビアズリー(サロメの挿絵2枚)、ギュュスターブ・モロー(3枚くらいありました)、ルドン(後期のパステル1枚と、エドガー・ポーの差挿絵のたぶんエッチング2枚)、ムンク1枚がありました。
パンフレットにも載っていて、おおおお!と思ったのはウォーターハウスの「キルケ―」
この絵は本当に目を引くもので、人だかりもすごかったです。
「キルケーは、ギリシア神話に登場する魔女である。ホメーロスは彼女を女神と呼んでおり、本来は月の女神ないし、愛の女神だったと考えられている。ホメーロス作『オデュッセイア』では、キルケーの住むアイアイエー島にたどり着いたオデュッセウスの部下たちは、キルケーの差し出す食べ物を食べて豚に変えられてしまう。オデュッセウスのみは、魔法を打ち消す効力のある薬草モーリュをヘルメースからもらっていたおかげで豚に変えられずにすんだ。キルケは魔法が効かない相手に屈して部下たちを元の姿に戻す。しかし、オデュッセウスはキルケーの魅力にとりつかれ、1年間キルケーとともに過ごす。」という物語を絵に表したもの。
あとはセイレーンの絵
これはびっくりするくらい、本物がすごいです。羽が動きそうな。ふわーっとしている感じが出ています。これは写真より本物のが数倍いいですね。
あとこれ。かのパトリシア・コーンウェルが切り裂きジャック本人じゃないかと推測しているシッカート。なんとコーンウェルさんそのなぞの解明の捜査に(DNA鑑定などの現代の技術の粋を尽くして)7億円をつぎ込んでいるそうで。そんなエピソードを見ながらこの絵を見るとまた一層面白いですね。