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あおいとりプロジェクト

映画を見ました:「岸辺の旅」

2017年12月31日|Impression, やまねこクロニクル

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年越し、そばもおせちも無縁で過ごしております。今年もまたたくさんの人にお世話になりましたありがとうございます!!新しい年もいろんな人とご縁を頂けますように☆彡

最近家で過ごしていることが多いので、アマゾンプライムを合間にみているのですがちょっと考えさせられる映画を見ました。なんというか蠍の木星っぽい感じ。2015年の映画で浅野忠信さんと深津絵里さんの演技派の二人のコンビで気になってみました。(ネタバレ注意です)


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3年間行方不明になっていた夫がある日唐突に帰ってきて、「俺死んだよ」と伝えに来るところから始まるという設定が気になって見始めました。ただひたすらに自分が戻ってくることを望んでいる妻のところに、自ら命を絶った後に戻ってくる夫。

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この話のすごいところは、もう結論が出ていることですね、夫さんは亡くなっていて、それは覆せないということろからの話がスタートなところですね。希望がない、笑。火曜サスペンス劇場並みの結論ファーストです。(あれは始まって10分以内に人が死にますよね、東尋坊とかから落ちたり。)

 

妻は夫が失踪している間、いろんなことをして夫を探しています。パソコンの中を探しまくったり、部屋中ひっくり返して思い出の品を全部見てみたり。ちょっとすごかったのが伏見稲荷大社の願掛けのために願い事を半紙に100枚手書きで書くというもの。それだけ執念深くあちこち手を尽くして夫を探しています。手を尽くさないと落ち着かないし、自分もコワれちゃうというのありますよね。まあ探さないと気持ちの落としどころがないというのはすごくわかります。

 

ある日土足で帰ってくる夫。執念にひっぱられて幽霊となって戻ってきて、成仏するために思っている人の執着を剥がしていくという旅。愛がゆえに固執し、愛がゆえに無理してでも戻ってくる。長引けば長引くほどすり減り質が悪くなるような、魂には良くないのに愛する妻のためにとどまろうとする夫、良くないと思いつつ引き留め一緒にいる時間を楽しんでいる妻。この妻は夫以外にあまり執着したいことがないというのも気になる要素。やりたい仕事もない、大切な人間関係もない、みたいな。原作を読んでいないのでその辺の設定はよくわからないですが推測するにそういう感じに見えます。自分が夫を引き留める行為は夫の魂に良くないとわかりつつ、踏ん切りがつかない妻。プロットとしては普通かもなんですが、演技派の二人のうまい表現がグッときますね。

 

こういう設定の「今会いに行きます」という映画ありましたがそれともまた違う感じ。あれは子どもがいる母親が先に死ぬ話でしたね。病気だったから、ゆっくり準備ができたし、もう一回戻ってくるし。でも、今回は妻さんの方がある日突然、取り残されるという設定。

 

わたしだったらどうするかなーとちょっと考えてしまいました。まあ幸いうちは夫婦二人っきりってわけでもないし、両親もなくなってないので(映画の妻は両親も他界していてほぼ天涯孤独)同じ状況にならないとは思いますが、同じ条件だったら、わたしも目を吊り上げて探すだろうなあと思います。たぶん願掛けの紙も100枚腱鞘炎になりながら書きそう。

 

他人と生きるということの楽しさとそのリスクはまあどうなんだろうと思いますが、わたしはその辺あんまりよく考えずその瞬間しか考えていなかったし、ダメなら解消すればいいかなとか思っていました。確かに、このご時世、よく考えたりするタイプは結婚とかしないでしょう。まともにシュミレーションとかしちゃうと、リスクがでかすぎますからね。そういう意味で、こういう映画って身につまされる、というか、染みるなー。

 

誰かと深い関係になるというのは、自分という存在に他人のスペースを作るということなんだなーと。それは簡単なようで、心の拡張工事のようにリスキーで大変なもの。

 

わたしも何も考えずにノリで結婚してもう16年くらいたっているので血縁者よりもよっぽど近しい人となっているうちにいる大人。そういう人が3年も行方不明になって戻ってきてたと思ったら死んでたってそんなオチってないわーと思いました。アメリカのお母さん(さそり太陽)が最愛の旦那さんが他界してしまい、生きる気力を年々失っているのを常々感じているので、わたしもどうなるかなーと思っていたところで見た映画。

 

信頼する人を作れるラッキーさと、それがゆえに失ったときのダメージのでかさのジレンマかなとも。わたしもあまり人に心を開かないタイプゆえにアメリカのお母さんの気持ちがわかるし、頭で解ってはいても体がダメってこともあるしって思います。Sooner or Later(遅かれ早かれ)ですが、たぶん夫がいたほうが両親が亡くなった時のダメージが先延ばしにできそうだろうし、子どもがいるといないよりは夫が亡くなった時のダメージが和らぎそうですが、それでもちょっと私も老後が不安になります。映画の中の妻のダメージの深さを思うと、幽霊で戻ってきた夫を手放せず、しがみ付いちゃう気持ちわかるかもとふっと思いました。

 

全体的のテーマは気持ちの区切りのつけ方、落としどころをどうとるかでしょうか。蠍のテーマでもありますね、受け入れも大変で、手放すのももちろん命がけ。何かをつぶすとか殺すという感じで受け入れているのにその関係を手に入れることで築けたものを捨てて新しくするって大変です。今確実に持っているものを手放して、手に入るかもしれない可能性のために場所を作る。これはまともに考えたら選びにくいってものです。昔みたいに家族からの強制力がすごい勢いで働いていたから、成り立ちやすかったろうなと思います。

 

起こるかもしれないと頭で考えているうちはまあいろんな変化や楽しいことには出会いにくいかなあとも思っていて、予測のつかないしコントロールできない他人といる楽しさでもあり、つらさでもあるなあと、またしみじみしました。

 

蠍木星にぴったりな映画です。愛がゆえに、愛だからこそ、そんな蠍サイン。


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みかみ まき

西洋占星術師&アクセサリーデザイナー、水晶占い師占星術・タロットをまついなつき氏に師事、占星術と水晶透視を松村潔氏に師事しております。詳しいプロフィール

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